| オリジナルビデオアニメ。以前ＷＯＷＯＷのアニメ枠でかかる宣伝を見て、これは面白そうだなあとは思っていたけれど、実際には見ないままになっていたアニメ。最近キッズステーションでやったので見てみたら、なかなか良い出来だった。第１話だけでも３回も観てしまった。（以前にも同名のアニメがあったけど、ここで言ってるのは１９９９頃に製作された方） どこが良いかと言うと、センス。設定やデザインがスマートでセンスが良い。 最近のＳＦ映画の受ける要素として「スタイリッシュ」というのがあると思う。別に服装の話ではなくて、設定や演出のセンスが洗練されているとか、登場人物がスマートで立ち居振る舞いがかっこいいという意味。そういう意味で言うならこのアニメはまさにスタイリッシュだ。規模こそ小さいけれど、そこらのＳＦ映画にも負けない内容だと思う。 キャラデザインはイデオンやダンバインの湖川友謙氏の弟子の一人、恩田尚之氏で、氏独特のあのカッチリとした骨格でバタ臭いキャラがなかなか良い味を出している。あの味は他の人の絵では出ない。昔はバタ臭いだけであんまり好きになれなかったけど、今では時代にマッチした洗練された絵柄という感じだ。 そしてソルビアンカの制御コンピューターが起動する時の画面が面白い。木の芽が出て、芽が成長して幹からたくさんの枝が出て、その項目が完了すると枝の先に花が咲く。最終的に幹の先に大きな花が咲いて、起動終了となる。これのデザインがかなり洗練されていて、本当にそういう凄いシステムがあるような気にさせられちゃう。武器を使う時にも枝が伸びてオプションが表示されるという形式で、非常にカッコイイ！！ 実際にああいうインターフェースのパソコンが欲しいと思ってしまった。 ストーリーとしては何だか総集編みたいな感じ。ＳＦ的な設定が凝っている割に説明が少ないので、ＳＦ好き以外にはちょっと辛い内容かも。たくさんウラ設定がありそうなんだけど、あまり解明されないまま終わってしまう。最後まで見ても結局のところソルビアンカって何なのか解らない。登場人物各人のドラマももっとあるはずなんだけど、そういうのをすっ飛ばして話が進んでいく感じ。まあこれはＯＶＡにありがちな事ではあるけれど・・・。あの設定で全２６話とかやってもらいたいなあ。 （あらすじ） 宇宙開拓時代が既に大昔の出来事になった遠い未来。主人公エイプリルは、開拓時代に建造されたらしい謎の宇宙船「ソルビアンカ」を手に入れ、仲間３人と一緒に気ままに旅をしていたのだった。自分たちは「海賊」と名乗っているけど、海賊と言うよりは風来坊。豪華な住所不定無職という感じ。また、彼女ら４人の仲もあまり良いとは言えず、どうしてこの４人が一緒に行動しているのかよく解らない。（ここら辺もたくさんウラ設定がありそうなんだけど、ほとんど露出せずじまい） で、ひょんな事から少女を乗せて人類発祥の地である地球に行ってみたくなって、地球を目指すのだった。あんまり目的意識は無いみたい。 見所は「ソルビアンカ」の武器発動シーン。開拓時代の失われた高度な技術で建造されているので、凄い高性能という所が目で見て解る。「ＳＦは絵だ」という言葉を思い出すなあ。 |
