| テレビで人気があったアニメが、後になってオリジナル映画になるパターンってよくあるよね。昔だとガンダムとかイデオンとか、テレビでやった内容を再編集するパターンが多かったけど、近年は、テレビ版の後日談とか、再構築した新作とか、新エピソードとして作られる事が多いようだ。 「機動戦艦ナデシコ」は後日談タイプ。 「少女革命ウテナ」は再構築タイプ。 「天空のエスカフローネ」も再構築タイプ。 「カウボーイ・ビバップ」は新エピソードタイプ。 「∀ガンダム」はテレビ版の再編集タイプ。 俺はどのアニメもかな〜り好きなんだけど、その映画版は期待したほどは面白くない物が多いなぁ・・・というのが正直な感想だったのだ。 ナデシコとウテナは、元のテレビ版を見ていないと何が何だか解らないような内容になってたし、ストーリーその物もヒネリ過ぎという感じがした。 特にウテナは、テレビ版も難解だったけど、映画版は更に難解。もともと前衛劇的なアニメだったけど、劇場版では更にそれがパワーアップ。前衛劇そのまんまな内容だった。テーマや結論も、解ると言えば解る気もするのだが、ちょっと俺の価値基準とは次元が違い過ぎて納得できない感じという気がした。 エスカフローネは比較的単独でも楽しめる内容だったが、キャラ設定もあちこち変わっている点が気になった。俺としてはテレビ版のキャラの方が好きだったなあ・・・。 ∀ガンダムは、無理に映画版にまとめる必要無かったんじゃない？という感じがした。好きだったエピソードが削られてたし、基本的にはテレビ版と全く同じ内容だったし。 あと、テレビ版では主人公が最後の対決で相手に「剣で戦った事は？」と訊かれ、「一度だけ」と答えるのだけど、映画版だとその剣で戦ったエピソードが割愛されていたので、そのセリフが「ありません」に変えられてしまった所にガッカリしてしまった。（何でその程度の事でガッカリしなきゃいけないのか、自分でもよく解らないが・・・） このように、映画版は期待した程は面白くないというのが俺の中の定説なのだった。しかし例外もある。カウボーイビバップの映画版は別格に面白かったのだ。 テレビ版の雰囲気そのままに、独立したエピソードとして作られている。元々テレビ版からして異様にクォリティが高かったけれど、映画版も凄い。 「おお！ カッコいいアングル！！」 「どうやったらこんなアクションシーンが描けるんだ！？」 と感激することしきり。小道具の使い方や、バックグラウンドの見せ方なんか実に巧い。アニメで、人間同士の格闘シーンがハリウッドのアクション映画みたいにビシッと決まっているのはかなり凄い事なのではないだろうか。 そして、肝心のストーリーも深みがあって素晴らしい。これ単体でも十分に楽しめる映画に仕上がっており、これならハリウッドから引き合いが来ても不思議ではないだろう。 |
| [2004/2/1] |
