| ２００５年はなかなかの豊作だったと言えましょう。 【交響詩編エウレカセブン】 「劇場版ラーゼフォン・多元変奏曲」で俺のハートを思いっ切り鷲づかみにした京田知己氏がテレビシリーズ初監督。サーフィンみたいなボードで空中を飛ぶモビルスーツみたいなのが戦うアニメ。 第１話からずっと観ていても謎の多いストーリー。しかし謎の解決よりも主人公を丁寧に描く事に重点を置いていて好感が持てた。特に中盤、レントン少年がチャールズに出会ってから、ホランドとチャールズが対決するあたりの盛り上がりは非常に素晴らしく、何度も見返した。傑作。 ストーリーが進むにつれて、徐々にストーリー背景が見えてくる。例えば、舞台は地球ではなくて植民星らしいとか、ロボットみたいなのは発掘された異文明のメカをベースにしているらしいとか・・・。 この他にも挙げればキリが無いくらい謎が多いストーリーだけど、おそらくこれらの謎解きがメインになる事は無いのだろう。主人公であるレントン少年が感じている不安と期待、そして成長を描くのが主旋律のようだから。それは主題歌を聴けばよくわかる。 ところでこれのどこが「交響詩編」でなのだろうか？ そして「エウレカセブン」の意味は？ 「エウレカ」というのは確か、「解った」という意味のギリシア語か何かだったはずだが・・・。 【サムライ・チャンプルー】 沖縄出身（？）の風来坊と、メガネをかけたクールな浪人（？）。そして可愛い女の子の３人組が主人公の、思いっ切り現代風な時代劇アニメ。やたらに強いこの２人の剣劇アクションが見所。明るい女の子のキャラも、今まで有りそうで無かったタイプかも。 時代劇ではあるけれど色々な意味で現代風。監督は「カウボーイ・ビバップ」の渡辺信一郎氏なので、ヒップホップ感覚でキュッキュキュ！ これも完成度高し。 【創聖のアクエリオン】 ３機のベクターマシンが合体して巨大ロボ・アクエリオンになるワケだが、ゲッターロボみたいに組み合わせが３通りあるので、アクエリオンも３種類あるという合体ロボ物。実際に実現可能な変形合体という点にこだわったそうで、劇中と同じように変形合体できるおもちゃが「超合金ＤＸ」として発売された。 それはともかくとして、俺が一番ビビビッときたのは、オープニングの歌だった。「１万年と２千年前から愛してる〜」というアレだ。菅野よう子作曲という事で、「さすが」と納得。ＣＤ買って何度も何度も聞いた。 アニメの内容については、とにかく「合体」に凄くこだわってる。「合体！」→「ああ〜ん、気持ちいい〜ん」という演出はちょっとアレだけど(^_^;; そしてメインのストーリーはシリアスだけど、話数の半分くらいは「真面目におふざけ」路線。っつーか、おふざけ路線の方が面白いッス。 【ブラッドプラス】 何年か前に作られたオリジナルアニメ映画「ブラッド、ザ・ラスト・バンパイア」をベースにリメイクした「ブラッド・プラス」というシリーズアニメが始まった。土曜夕方６時という時間帯にもかかわらず、いきなりショッキングな流血シーン。「この時間にこんな内容で大丈夫なのかなあ」なんて思ってしまった。 舞台は沖縄からベトナム。米軍とバンパイアが何か関係しているらしいという事を臭わせる展開。けっこうヤバそうなテーマだ。 映画の方では謎の主人公（女子高生）が日本刀でバケモノと戦う話。暗く陰鬱なムードと、迫力ある戦闘シーンが白眉だった。どうして主人公が戦っているのか？ 敵の正体は？など、根本的な所からほとんど全てが謎のまま終わる。が、全編がコンパクトにまとまっており充実度は高かった。 映画の主人公は暗くて寡黙。目だけがギラギラ。狼みたいな雰囲気だったけど、このテレビシリーズでは明るく可愛い感じ。完成度高し。毎週録画決定。それにしてもプロダクションＩ．Ｇはノリに乗ってるなあ。 【お伽草子】 これまたプロダクションＩ．Ｇ作品。平安時代。源頼光（みなもとのらいこう）と、その家来、渡辺綱（わたなべのつな）が土蜘蛛退治をしたり、後に頼光四天王と呼ばれる事になる碓井貞光（うすいのさだみつ）らと出会うというストーリー。 このアニメでは本物の頼光は病気で死んでしまい、妹の光（ひかる）が「頼光」となって活躍する、という展開になっている。非常にキッチリとした作りで、思わず見入ってしまった。 シリーズ後半では現代に舞台を移し、光や四天王の生まれ変わり（？）が怪現象に挑む話になる。 【かみちゅ】 ある日突然神様になってしまった女子中学生が主人公。舞台は尾道あたりらしい。 どうして神様に？などという理由は全然無くて、とにかくなってしまったのだ。こうして神様中学生「かみちゅ」になった主人公を巡って色々な（ほのぼのとした）事件が起こる。 全体に「まんが日本昔話」にも似たのんびり感があり、最近流行の萌え系とは無縁な、微笑ましいお話が続く。神様やるのも大変だわねぇ〜(^_^; 【絶対少年】 横浜あたりを舞台とした、非常に地味っぽいドラマ。 オブジェのような形で、空中を飛ぶ謎の物体（生物？）「マテリアル・フェアリー」を中心にドラマが進む・・・ようなのだが、続けて観てたのに、正直、全然ストーリーがわからなかった。っつーか、事件らしい事件が起こらない淡々としたストーリー。でも何となく気になるアニメではあった。昔のＮＨＫ少年ドラマシリーズのように、実写でも撮れそうだな。 【強殖装甲ガイバー】 連載開始から既に２０年。今までＯＶＡが２度、実写映画が２度だか作られており、マンガも連載誌を乗り換えて今も続いている。それが今度はＷＯＷＯＷで再々アニメ化。 最初のＯＶＡは一発だけの尻切れトンボ。２回目のＯＶＡは原作者自身が「怪傑ライオン丸」などで有名な石黒光一氏に監督をお願いして作ってもらった力作だが、なにぶん原作が今でも完結していないので、これも尻切れトンボ。 で、今回のガイバーはというと、まず絵柄が原作とかなり違う。でも動きは悪くはない。ストーリーとしてはも何度も繰り返し見た内容なので、今さら特に言う事は無いが、しっかりドラマを作っている感じがする。 ストーリーは原作とほぼ同じ流れで、これまでアニメ化されなかったアルカンフェルが登場するあたりまではやりそう（というか先週登場）。ただし今のペースだとギガンティックが登場した後まで続けるには無理があり、おそらく第１期、第２期と、シーズンを切って断続的に続けるつもりなのだと想像される。 【戦闘妖精雪風】 星雲賞受賞のＳＦ小説。最近アニメ化され、この夏にやっと最終巻である５作目がリリースされた。 謎の敵「ジャム」と戦っている人類。このジャムは、この戦闘機「雪風」と主人公に興味を持っているらしく、何度か接触する事になるのだが・・・。 最終話まで見たが、結局ジャムとは何だったのか？ ジャムは雪風と主人公の何に興味を持っていたのか？ 正直言ってよく解らなかった。 戦闘場面の迫力はかなりのモノ。俺が一番興味を持ったのは、これの原画マンの筆頭に大学の後輩である福田道生くんが出ているという点。福田くん頑張れ。俺たちは見守っているぞ(^_^) 【きらめき☆プロジェクト】 世界各国が巨大ロボットの開発を競っているのだが、その各国を襲い、それを倒してエンブレムを剥ぎ取って行く、要するに「道場破り」をする謎の巨大ロボが出現。 この巨大ロボ。実は日本の某メーカーが開発した試作機で、中で運転しているのはその会社の課長見習いとその部下の技術屋。なんか、海外の工場に行かされて奮闘している中年社員という感じ。 この調子で勝ち続け、無事に日本に帰れれば晴れて正式な課長に昇進できるとあって、みんな張り切って戦っている。 で、次のターゲットは美少女３姉妹王女が治める小さな王国。ところがここにはとんでもない巨大ロボがいたのだった。それは美少女をそのまま巨大にしたような巨大ロボ。そして課長見習いのひとり娘が実はこの国の王女の１人？という筋が見え見え（苦笑）。 氾濫する美少女萌え系アニメのひとつに見えるが、そういうのとは一線を画す面白さの予感。 なお、監督は「パンチラ監督」として有名になった西島克彦氏なので、やたらにパンチラ場面が出てくるが、この際よしとしよう！ 【トップをねらえ！２】 あの傑作ＯＶＡ「トップをねらえ！」の続編が製作されている（現在第４巻まで）。でも「トップをねらえ！」は完璧に完結した終わり方だったから、あの続きなんてありえるの？・・・と、俺も思った。 が、実際に出来上がった物を第４巻まで観た感想としては、「なるほど。こういう『２』もアリだなあ〜」という感じたのだった。 前作と共通したキャラクターは登場せず、前作の「バスターマシン」が進化したらこうなるっていうのを見せてもらえる。 前作の主人公、ノリコたちが「銀河中心部殴り込み作戦」をやっている間に、地球では凄いスピードで時間が流れている訳で、その未来の地球がこの「２」の舞台、という事らしい。 進化した「バスターマシン」のデザインはあの、いづなよしつね氏。いづな氏が描くロボットは、柔らかく、まるで意志があるような独特の表情をしている。最初観た時は「これって『トップをねらえ！』の路線とは違うんじゃないの？」などと違和感を感じていたが、その違和感は第２巻を見終わった時点で完全に消えていた。さすが、ヤルなぁ〜。 |
| [2005/12/31] |
