| 【借りぐらしのアリエッティ】 兄から「借りぐらしのアリエッティ」がとても良かったという感想をメールが来た。これは心に染みこむ何かがあったのだろうと思い、ニョーボと一緒に映画を観てきた。 なるほど。地味だけどなかなか良質な映画だと思った。一言で言えば、大人のための「トトロ」かな？ 面白い！と言うのとは違う。「ポニョ」よりは好きだ。あと、もうちょっと長くても良いかなと思った。 ただ、原作がイギリスの小説だからか、現代日本が舞台なのにアリエッティという洋風の名前だったり、プロデューサーが「キーワードは『ケルト』」などと言ってたりする所は、ちょっと違和感が・・・。（だったら日本が舞台じゃなくても良かったのでは？と） あと、小人たちは「借り」と言っているが、借りたのならいつかは返さなきゃいけないと思うのだが、返してる様子が無いな(^_^; 「拝借ぐらし」の方がいいかな？ 【カラフル】 「アリエッティ」と並んでこの夏のアニメの期待作なのが「カラフル」。 「クレヨンしんちゃん」の映画シリーズや「河童のクゥと夏休み」で評価が高い、原恵一監督の最新作だ。 今回は直木賞作家、森絵都の小説「カラフル」をアニメ化。ちなみに同作は既に実写映画にもなっている。 死んだ魂に復活のチャンスが与えられ、自殺で死んだばかりの中学生の身体に入る事になる。死んだと思った息子が生き返った事で喜ぶ両親。戸惑う”自分”。 ”こいつ”はどうして自殺なんかしたの？ ”こいつ”の家庭環境や友人関係は？ 徐々に明らかになっていくと、そこには・・・。 「河童のクゥ」同様、今回もかなり地味目なカラーで話が進む。 悪くない。が、「面白い！」と言うのとはちょっと違うな。一度見ただけでは語れない重いモノを感じた。 【宮本武蔵−双剣に馳せる夢−】 監督は、押井守監督作品の演出をしばしば担当した西久保瑞穂監督。脚本が押井守。事実上というか、ほぼ完全に押井ワールドの宮本武蔵アニメ。（劇場公開は２００９年） この映画の話を聞いた時、真っ先に浮かんだのが、マンガ「バガボンド」があるのに何で今、宮本武蔵？という事だった。「バガボンド」が凄すぎて、これを越えるような宮本武蔵をそうそう描けるとは思えなかったからだ。 それに、前作「スカイ・クロラ」からそんなに期間が経ってないのに、もう出来たの？という感もあった。だから「一体どんな映画なんだ？」「怪しい」と思っていた。 で、この映画が先日ＷＯＷＯＷで放送されたので見てみたワケだけど、見たら想像していたような宮本武蔵物語とは全く違う内容で、見事に肩すかしを食らった。 前作「スカイ・クロラ」は押井節を抑えた作品だったけど、この「宮本武蔵」は押井節炸裂。この映画はドラマではなくて、押井節による宮本武蔵研究の成果発表会なのだった。 ヨーロッパの騎士と日本の武士の比較とか、どうして古代中国で弩（おおゆみ）が用いられたのかとか、その弩がどうして日本で普及しなかったのかとか、語る語る。 結論としては、武蔵は騎乗して戦うような身分の高い武士になりたかった。関ヶ原の戦いのような合戦をしたかった、という所かな？ 歴史的にどこまで正しいかは分からないけど、なかなか面白い。よっぽど研究してなきゃこんな脚本は書けないはず。また新しい押井守が発見できたという感じかな？ |
[2010/9/4] |
